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VOICE 2021.12.1

寄付者  | 兼松俊介さん・小林輝尚さん

VOICE|寄付者:兼松俊介さん・小林輝尚さん

地球学校に現在通っている方、過去に通ったことがある方、地球学校で活動している方から話を伺うインタビュー企画、VOICE。今回は「寄付者:兼松俊介さん・小林輝尚さん」です。

今回インタビューをしたのは地球学校の地球っ子教室スタッフ押野さん。お相手は、地球学校の寄付者であり現役会社員の兼松さんと小林さんです。三人が初めて出会ったのは2020年9月。それぞれが参加したALIVEプロジェクトで同じチームに編成され、Aチームとして3カ月を過ごしました。

ALIVEプロジェクト…異業種混合型若手リーダー開発プロジェクト
地球っ子教室…外国につながる子どもたちを支援するNPOの事業

 

ALIVEプロジェクトに参加して

- まず初めに、お二人と出会ったのがALIVEのプロジェクトでしたが、どういうきっかけで参加されたのか教えてください。

小林: 私の会社は建築系で、ALIVEの研修も会社として初参加でした。次世代のリーダー層から参加する、ということで、何が何だかわからないままの参加でした。地球学校って何かも知りませんでした。偶然の出会いでした。

兼松: 社内研修ではなく、他の会社やNPOといっしょにやる研修プログラム、ということで興味は感じたのですが、私も小林さんと同じで、地球学校もALIVEも、何?という感じでしたね。

 

- このプロジェクトで何をしていくのか、よくわからないままスタートしたのは実は私たちも同じでした!出会いは偶然だったわけですが、地球学校あるいは丸山理事長の印象はどうでしたか?

小林: 丸山さんの、NPOの理事長として物事を引っ張っていかれている姿にパワーを感じました。

兼松: ホームページを拝見して、NPOというとおとなしい感じの人がやっているという先入観があったのですが、実際に会ってみると想像したよりはるかにバイタリティがあるし、丸山さんも他のスタッフのメンバーもこういう活動をしている自負をお持ちだと感じました。

 

外国につながる子どもたちの存在

地球っ子教室では、外国につながる子どもたちを日本語の面からサポートしています。外国につながる子どもとは?

・親の事情で外国から来日した子ども
・日本で生まれ育ったが、両親またはどちらかの親が外国籍の子ども
・日本国籍を含む重国籍をもつ子ども
など、国籍が外国、というだけでなく、多様なケースがあります。

 

- 外国につながる子どもたち、というカテゴリーの存在は知っていましたか。

小林: 今まで全く意識したことがありませんでした。

兼松: 言葉とか概念としては知っていたのですが、実際そこに生きて関わっている人たちがいる、という実感はもっていませんでした。最初にお話をきいたとき、かなり意識が変わったと思います。。

 

- そんなところからスタートし、数カ月間、このプロジェクトで一緒に地球学校の課題解決に取り組んでいただいたわけですが、その中でどんなことを考えてきましたか?特に印象に残っていることがありますか。

小林: 実際に教室を見せていただいたとき、ここは子どもたちのためだけにあるのではなく、支援者さんたちのための場所でもある、と感じました。

学生さんも参加していたのですが、彼らが輝いていたのが印象的でした。単純に仕組みさえあればいいというわけではない。心の部分が大切だと感じました。どういうつながりを作っていくのか、というような。

自分の生活の中で外国ルーツの子どもとの出会いは直接ありませんが、社内にはたくさんの外国人が働いていて、その背景には子どももいるんだ、と感じ、自分事でもあると思いました。関連する施設に行ってみたり、色々な方と話したり、NPOとは何なのかを勉強してみたりしました。

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【写真】ALIVEプロジェクト参加者が地球っ子教室を訪問し、支援者の大学生にインタビュー(左から2番目:小林さん)

 

兼松: 自分は遠方にいるので、オンラインのみの参加でしたが、それでも想像よりはるかに大変なことだとわかり、問題の輪郭がはっきりして重みが増したような気がしました。お話をいろいろ聞いている中で、問題は言葉じゃなく、居場所がない気持ち、それはほんとに大変なのではないかとずっしり心にきました。

日本で生まれ日本語で不自由なく生きていた自分には想像できないような環境で育った子どもたち。どんな大人になり、日本という国をどう捉えるのか、土台がなく成長していく不安というものを、自分自身も感じることができました。

言葉とか国籍に限ったことではなく社会から孤立してそれが背景になって問題が起こってしまうことはよくありますよね。自分も環境次第でどうなっていたかわからない。そうなってしまう前になんとかできないのか、と考えていたので、そこに地球学校の活動がぴったりはまりました。すごく大事な活動をされているな、と。

それに真摯に地道に活動されていることもわかったので、遠方にいる自分にも何かできないかと思い、早速寄付をさせてもらいました。オンラインでのクレジットカードでの寄付は経験もあったので抵抗はなかったですね。活動の幅が広がればいいな、と思いました。

 

寄付というよりGiving(ギビング)の精神

- お二人のような若手のバリバリの社会人がNPOに寄付する、ってあまり聞いたことがありませんでした。仕事と家庭だけで大変ですものね。周りの方を見て、同じようなアクションをしている方はいるんでしょうか。

 

小林: あまりいませんね。余裕がないと思います。今回、たまたま出会って、出会えてよかったしこれからも支援したいという気持ちになるけれど、そこにたどり着くまでのきっかけが必要だと思います。


【写真】小林さん。教室を訪問してくれたとき、思いがけず地球っ子が似顔絵を描いてくれて笑顔に。似ていますか?

 

兼松: なかなか難しいですね。ボランティアにいく、寄付をする、という人はかなり少ないと思います。ボランティアをする、寄付をする、ということが普通になればいいと思いますが。

私はたまたこういうきっかけがあったのでチャンスだと思いました。CSR(企業の社会的責任)という観点からNPOを支援する予算やプログラムが企業にはありますが、全体数からいえばまだごく一部ですね。

 

- 今回、このプロジェクトに参加して、その後、何かご自身に変化がありましたか?

小林: ALIVEの最後のリフレクションで、人に与えられることを見つけて与えられる人になりたい、Giving(ギビング)の精神が芽生えましたね。自分の仕事でいえば、若い社員が色々チャレンジできるよう教えたり、大事にしたいな。と。地球学校のFacebookページも続けて見ていますよ。

 → 小林さんは今も土曜教室の様子をFB投稿すると「いいね」をしてくれています。これもGiving(ギビング)

兼松: 自分もGiving(ギビング)の精神を感じましたね。自分の中にそういう気持ちがまだあったのを思い出しました。子どものころには自然にもっていたのに大人になると自分のことで精いっぱいになる。見返りがなくても動くことは自分にもいいことですしね。

これまでも近所で会う外国ルーツの子どもたちとなるべく普通に接しようと思ってやってきたんですが、今回、居場所がないと感じているかもしれないと学んだので、より一歩踏み込んで安心感のあるかかわり方ができないか、と思うようになりました。自分の身近なところでできることをやっていきたいと思っています。コロナ禍が落ち着いたら地球っ子教室にも行ってみたいです。

さっき「見返りがなくても」と言いましたが、見返りは色々ありますね。経験、見識、人とのコネクションが広がる、誰かが笑顔になるとうれしい…


【写真】兼松さん。オンラインによるインタビュー時。

 

小林: たとえば地球っ子教室に行くと、子どもの笑顔が見られて色々な人と話もできる居場所を与えてくれる、というのも見返りですよね。

兼松: 仕事(学校)でも家庭でもない、第3の居場所があることは大切ですね。求められていると思います。

 

押野: 確かに私たちスタッフ・支援者にとっても、教室は子どもたちそして若い支援者たちから元気をもらえる居場所でもありますね。異なる世代の人たちが一緒に子どもたちと向き合い、一所懸命考えて色々とトライしています。それがまた楽しいんです。

プロジェクトの中で、リーチングアウト、外へ広報していく重要さについても考え、その方法を模索してくれましたね。今回ALIVEという場所で縁あって出会うことができ、そのことがいかに大事かを実感しました。お二人のような働き盛りの若い方にも情報が届き、出会える機会が少しでも増えていくといいな、と希望を感じることができました。

今日は色々お話を聞かせてくださり、どうもありがとうございました。

 

2020年度第二期のALIVEプロジェクト

【写真】ALIVEプロジェクト2020年第2期に地球学校は答申先として参加しました

一般社団法人ALIVEが、現役の社会人を対象に、答申先としてNPOなどの社会団体を迎えて取り組む約3か月のリーダーシップ開発プロジェクト。社会団体が抱えるリアルな課題を解決するために、現役の社会人がチーム一丸となって本気のプレゼンを重ねて、採用・不採用の場に臨みます。地球学校は2020年度の第2期に答申先として参加しました。新型コロナウイルス感染症により先行き不透明な状況下のリアルな課題は…

「地球っ子教室が外国にルーツを持つ子どものコミュニティとなり、コロナ禍でも、継続的に一人ひとりの子どもと向き合える仕組みを作る~支援者を、2021年3月末までに100名に~」

地球学校の課題に取り組んでくれた社会人32名は、5つのチームに分かれ、各チームには地球学校のメンバー(押野、吉田、志賀、横井、横山)が一人ずつ参加することになりました。そして、地球っ子教室リーダーの辻、理事長の丸山は答申側として、5つのチームの課題解決に向けたプレゼンを聞き、評価する立場として参加しました。その時々の記録はFacebookページにアップしています。

↓↓↓ クリック

2020年9月14日 ALIVE始動→ FBページ
2020年9月20日 ALIVEセッション1→ FBページ
2020年9月29日 ALIVEセッション2→ FBページ
2020年10月12日 【土曜教室】ALIVE参加者見学→ FBページ
2020年10月17日 支援者の「声を、きく」①→ FBページ
2020年10月24日 支援者の「声を、きく」➁→ FBページ
2020年10月25、26日 ALIVEセッション3→ FBページ
2020年11月21日 【土曜教室】ALIVE参加者見学→ FBページ
2020年12月1,2日 ALIVEセッション4(最終回)→ FBページ

地球学校から参加したメンバーの座談会のVOICEは、こちら